ジャパン、㈱三洋信販、三愛信販、東日本クレジット等の東北グループとネットカードの関係
ジャストグループとネットカードの関係
東北地方が地場の消費者金融ジャストグループ13社は、平成18年8月30日、全株式が、合同会社エーエスエー・ファイブに譲渡された。このエーエスエー・ファイブは、SPC=特定目的会社、投資の受け皿となるペーパーカンパニーである。ネットカードが100%出資する有限責任中間法人エーエスエー・ホールディングス・フォーの100%子会社である。
エーエスエー・ファイブはペーパー・カンパニーであるから、これを運用する会社の存在が必要だが、これがネットカードということになのかもしれない。
リーマン・ブラザーズ証券会社が、ジャストの株式の購入資金として金239億円を貸付け、リーマンが13社の株式全部と営業貸付債権全部につき、担保権を設定。その後、13社の営業貸付債権はリーマンにより証券化された。
http://ir.gmo.jp/pdf/irlibrary/disclose_info20060830_01.pdf
13社リスト
以下がその13社。住所と営業貸付債権額を以下に記した。
- 有限会社ジャスト 青森市新町二丁目1番11号 5,683百万円
- 有限会社ライクカード 青森市新町二丁目1番11号 581百万円
- 有限会社三洋信販(現株式会社三洋信販) 青森市新町二丁目1番11号 5,082百万円
- 有限会社東日本クレジット 盛岡市開運橋通5番6号 9,208百万円
- 有限会社サンライフ 大崎市古川駅前大通一丁目4番46号 168百万円
- 有限会社三愛信販 山形市十日町四丁目1番6号 7,347百万円
- 有限会社ミリオン 山形市香澄町一丁目3番1号山形駅前第二ビル 5,283百万円
- 有限会社アルト 山形市香澄町一丁目3番1号 3,869百万円
- 有限会社ジャパン 仙台市宮城野区大梶16番23−803号 14,055百万円
- 有限会社ジェーシー 郡山市中町5番19号 42百万円
- 有限会社セーブ 八戸市大字三日町38番地花小路ビル2階 2,681百万円
- 有限会社Nコーポレーション 青森市篠田二丁目6番6号 5百万円
- 有限会社TSコーポレーション 福島市清明町1番10号−408 5百万円
なぜこの時期に?
しかし、譲渡のあった平成18年8月30日といえば、グレーゾーン金利の殆どを認められなくした最高裁平成18年1月13日判決が出た後である。この時期、これらの営業債権は急速に劣化しつつあったはず。リーマンの目も節穴だった訳ではないだろう。しかし、リーマンはこの劣化した債権をもとに金融商品をでっちあげ、無知な投資家に売り払ってしまったのではないか。
エーエスエーは無関係
ところで、エーエスエーとは、青山総合会計の頭文字で、ネットカードとは直接関係ない。エーエスエー・ホールディングス・フォーの理事の粟国正樹も青山総合会計のパートナーで、証券化ビジネスの第一人者で、これまたネットカードとは直接のかかわりは無い。
揃いも揃って減額主張
ネットカードは任意でも過払金の2割しか払わず、訴訟を提起しても2割以上での和解に応じない。それ以上とろうということになれば、判決を取って強制執行するしかない。先日も株式会社三洋信販(福岡本社でプロミスの完全子会社の三洋信販株式会社とは全くの別会社)が、過払金について2割でしか和解できないと言ってきたが、まさに親会社ネットカードの対応そのものだ。
契約切替に注意
これらの企業は系列企業間で、契約の切替を行い、過払金逃れを図っている。例えばA社のお客さんが支払のため、店舗に行くと「当社は廃業することとなりました。今後の取引についてはB社の方にご相談ください」とかいうような張り紙があり、B社に行くとそこで借り換えをさせられます。
その後B社に過払金を請求すると、「うちは取引も浅いし、過払にはなっていない。過払金はA社に請求してくれ。」となります。それでA社に請求すると「うちは廃業していて払えない」「うちは清算予定で払えない」となります。ネットカード傘下の企業なので、この辺りの準備は万全です。