別荘地のオーナーさんはご注意を

とある日の法律事務所内の会話である。
事務員:先生、父が日光の別荘を持っているが、父がある不動産業者から「日光の別荘地をうちの那須の土地と交換してくれないか」との勧誘を受けているんだけど、大丈夫か?という相談が来ているんですが。
山田:そりゃ詐欺だな。那須の別荘地と聞いたら、詐欺を疑わないと。
事務員:那須と言うだけで?
山田:那須の別荘地は昔作りすぎてしまって、今は、全然売れないんだよ。おまけに原発事故ではホットスポットだなんて言われ方もして、、ますます売れない。なのに、固定資産税はかかるし、大手分譲地だと共用施設費もかかる、だからみんな手放したくて仕方ない。そうした人たちなんかのところに「那須の別荘地売りましょうか」なんて誘いが来れば、詐欺とも知らずにみんな騙されちゃうんだよね。この件は、例えば那須の土地100万円と日光の土地50万円を交換する、そうすると「50万円不足するので、50万円は払ってください。それでも那須の土地は200万円くらいで買い手がつきますから、150万円はお得です。」と言ってくる。そんなパターンだろうな。那須は荒らされて、新たなターゲットがいないので、周辺別荘地に目を付けたんだろう。
事務員:でも、このお父さん、不動産屋のセールストークに気持ちが傾いているようなんですが。
山田:弁護士が言っても耳を傾けないかもな。国民生活センターとか、消費生活センターに電話させて、教育的指導をもらった方がいい。役所の言うことは信用するから。
事務員:でも、相続のとき、その別荘地を物納とかできないですか。
山田:無理無理。そんな土地貰ったって、塩漬けになるし、国民に持たせておいた方が固定資産税をしぼりとれるから、そんなのタダでも貰わないよ。