上田秀明人権人道大使 国連会議のShut up!発言で退任

9月21日付の日経朝刊は「黙れ発言の大使退任」との見出しの下、「外務省は20日上田秀明人権人道大使が退任し、同日付で佐藤地外務報道官が同大使を兼任する人事を発表した」ことを14行ほどの小さな記事で報道した。
 退任理由は、5月の彼の国連委員会でのある暴言にさかのぼる。
 5月21、22日に開かれた委員会の対日本政府報告書審査でのこと。会議の終了間際に、モーリシャスの委員から「日本の刑事司法は拷問に近い」「取り調べに弁護人の立ち会いがないと、誤った自白が行われるのではないか。自白に頼りすぎる取り調べは中世の名残だ。日本の刑事手続きを国際水準に合わせる必要がある」との発言があった。上田大使は「Certainly Japan is not in the middle age(正しくはAges). We are one of the most advanced country(正しくはcountries) in this field.」と反論すると、会場から失笑が漏れた。上田大使は完全に逆ギレ。「Don't laugh! Why you are laughing?(正しくはWhy are you laughing?) Shut up! Shut up!"」とご丁寧にも「Shut up!」を2回も叫んだのだ。
 おまけにこの動画が、YouTubeに投稿され、すでに30万回以上再生され、さらなる失笑が起きている。
 拷問禁止委員会は31日、慰安婦問題に関して「日本の政治家や地方の高官が事実を否定し、被害者を傷つけている」という勧告をまとめた。これを上田大使のせいだと言う気はないが、こういった傲慢が有利な方向には働かなかっただろう。
 この人権人道大使なるポストは、第1次安倍内閣拉致問題慰安婦問題に関する日本の国際的立場を高めるべく作られたのだが、こういったセンシティブな問題を扱う大使職に、豪勇を振るう人物をつけたこと自体、日本の外交のセンスのなさを表している。こんな人物が「人権人道大使」という肩書を付けていること自体ブラックユーモアとしか思えない。