韓国政府 従軍慰安婦資料を世界遺産に申請する動き

昨日1月15日の夕刊フジに、韓国政府が従軍慰安婦関連資料を整理して世界記憶遺産に登録しようとしているとの記事があった。韓国聯合ニュースによると、関係各国と共同申請するためのタスクフォース設置も検討しているという。
米国グレンデール市、韓国の日本大使館前での慰安婦像設置は、民間団体によるものだが、この世界遺産登録申請は政府が行うものであり、これまでの反日運動とはレベルが違う。政府が国家を代表し、世界に向けて、日本を避難しようというのだから、文化的な宣戦布告ではないか。今まで、慰安婦像設置は、民間団体がやっていたものであるから、日本政府としては抗議できなかったが、この世界遺産申請は政府がやろうとしていることであり、政府として抗議することは可能だし、早々に行うべきだろう。
ただ、慰安婦問題を論ずるとき、「ほかの国だってやっているじゃないか」「慰安婦は十分な金を貰っているだろう」といった反論の仕方はしない方が良い。特に米国に対しては避けた方が良い。米国は、こうした「性の商品化」には非常に敏感だ。オバマがローレンス・サマーズをFRB議長に強力に推していたにもかかわらず、民主党内からも異論が出た大きな理由の一つは、彼のハーバード学長時代に行った女性差別発言だ。特にオバマはリベラル指向が強いので、前述した反論に対しては強く反発するだろう。それはキャロライン・ケネディ大使も同様だろう。
慰安婦は軍が徴収したものではないが、こうした女性の人権を無視した活動を容認したことの道義的な責任は極めて大きく、その意味では慰安婦の皆さんには申し訳ないと思っている。しかし、日本は、韓国朴正熙朴槿恵の父)政権との間で日韓請求権協定を締結し、民間の請求問題はすべて解決済みとなり、その代わり莫大な経済援助もした。この経済援助があったから、漢江の奇跡もあり、現在の勧告もある。しかも韓国政府の要請で、韓国の信義を信じて河野談話もし(韓国政府が「こういう談話をしてもらえれば、韓国政府の責任ですべて解決する」と騙してこの談話を引き出している)、さらには民間で基金を設け金銭的に慰謝しようと務めている。韓国政府が慰安婦資料を世界遺産にしようなどということは、日本のこうした外交努力、経済支援を全て否定し、愚弄するものであって、到底許容できるものではない。
米国には、こうした反論にとどめておいたほうがいいのではないか。