流通・取引慣行ガイドラインの改正案が発表される

2月5日付で、流通・取引慣行ガイドラインの改正案が発表され、パブコメ手続きが始まりました。
注意してほしいのはここでいう流通業者は、ヤマトとか佐川ではなく、ビックカメラとか、ヤマダ電気のことを指します。
流通・取引ガイドラインの正式名称は「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」。この中の「第2部 流通分野における取引に関する独占禁止法上の指針」が改正の中心です。
第2部は、再販価格拘束について述べた後で、非価格制限行為の項を設け、メーカーが流通業者を通じて小売を支配し、小売店が他のメーカーの商品を入れないよう拘束すること(垂直制限行為)を禁じています。
このガイドラインは91年に作られたものですが、このころは、まだ流通過程上、メーカーが優位に立っており、こうした垂直的制限行為の規制も意味がありました。しかし、現在は小売店の方がメーカーを選別する時代になっています。このため、政府の規制改革会議が見直しを提言し、公正取引委員会が具体化を進めてきました。
今回の最大の柱は「選択的流通」と呼ぶ制度の導入です。今までメーカーは、正当な理由がなければ特定の小売業者を排除できませんでした。そのため、メーカーは、複数の小売業者と取引せざるを得なかったのですが、今後はメーカーが一定の条件を設け、特定の卸や小売とだけ取引しやすくなってきます。
これまではガイドラインを回避するため、敢えて、複数の流通業者に商品を流していたのを、今後はメーカーの側が小売業者の選択を厳しく行うようになる可能性が出てくるのです。
他方再販価格拘束の規制は、基本、維持する方向になっています。
http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h27/feb/150205_1.html