規制改革会議、独禁法の流通・取引慣行指針改定を提言

「政府の規制改革会議が1991年に定めた独禁法の流通・取引慣行指針の見直しを提言し、公正取引委員会が具体策の検討を始めた。」「最大の柱は「選択的流通」と呼ぶ制度を導入すること。」「いまはメーカーが複数の流通業者と取引していると、正当な理由がなければ特定の業者を排除できない。今後はメーカーが一定の条件を設け、特定の卸や小売とだけ取引しやすくなる。」
日本経済新聞 平成26年6月24日

独禁法は法律だけ読んでも、何がよくて、何が悪いのかが分からない。そのため公取委は、様々なガイドライン(指針)を出しており、実務はガイドラインを基準に動いている。今回改定が議論されているのは「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」の「第2部 流通分野における取引に関する独占禁止法上の指針」だ。第2部には再販価格拘束について述べた後で、非価格制限行為の項を設け、メーカーが流通業者を通じて小売を支配し、小売店が他のメーカーの商品を入れないよう拘束することを禁じている。
http://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/ryutsutorihiki.html
ただ、現状、小売店の方が競争優位に立っているため、このような統制は不要ではないかと言う意見が強くなり、今回の提言となったようだ。ただ、これまでは同ガイドラインを回避するため、敢えて、複数の流通業者に商品を流していたのを、今後はメーカーの側が流通業者の選択を厳しく行うようになる可能性がある。流通業者が選ばれる時代になるということは、流通インフラに設備投資を重ねている、大手流通業者が二番手、三番手業者を統合していく流れができるかもしれない。
上記報道では、選択的流通制度に伴い「在庫の横流し」をする流通業者との取引停止を禁じるかも焦点になっている。
他方再販価格拘束の規制は現状維持となるようだ。
要は流通に関するガイドラインは多岐にわたっているので、どこをどう変えるのか、今後の検討を注視する必要がある。