中小も外形標準課税 政府税調、月内にも提言

政府税調は6月25日午前、法人税改革に関する提言の最終案を公表した。法人税の実効税率を来年度から引き下げるにあたり、「広く薄く負担を求める構造にする」と指摘。具体的には

  • 赤字企業でも課税とする外形標準課税の対象を中小企業にも広げる方針を示した。
  • 大企業に比べ大幅に法人税率を下げている軽減税率も縮小する。
  • 租税特別措置(政策減税)については期限の定めのあるものは、原則、期限がきたら廃止する。
  • 期限の定めのない政策減税は期限を新たに設けて絞りこんでいく方針。

日本経済新聞平成26年6月25日夕刊

中小企業には酷な方針だ。中小企業は大企業に比べ利益率が低い。低い利益率の中から、法人税を払っているのに、その税率も上げるというのだから大きな打撃だ。
外観標準課税をいう人たちは、「競争力のない企業をどんどん淘汰し、競争力のある企業だけを残そう。」「そうして、生産性を上げた方が、賃金も上がる。」という。しかし中小企業、特に小企業は、人件費の占める割合が多く、利益を上げようと思えば給料を下げるか、社長が老体に鞭打って長時間労働してロットを増やすしかない。日本経済新聞が取り上げるようなオンリーワンの企業は、中小企業の中でも少数だ。
ただし政策減税にはどんどん切りこんでほしい。ここは構造的利権の本丸中の本丸。ここを崩さないで第三の矢はありえない。