アベノミクス第2ステージ と言えば聞こえはいいが

政府の財政諮問会議民間議員は新たな経済政策の素案をまとめた。政府は2012年に外国人の在留資格を最長3年から最長5年に延長したが、これを最長8年に再延長した。日本の大学などで学んだ留学生にインターンを勧め、国内企業への就職率を現状の2割から5割に高めることも提言した。
日本経済新聞 2015年9月10日朝刊

アベノミクス3本の矢のうち、第3の矢の規制緩和は現在ゆるゆる。安倍首相も、ダボス会議で「いかなる既得権益といえども、私のドリルから、無傷ではいられない」と大見得を切ったが、安倍ドリルは岩盤の弱いところだけを削っているとしか思えない。
安倍首相は自民党総裁選の政策集で、経済政策「アベノミクス」はいよいよ「第2ステージに入る」と表明した。第2ステージは「成長戦略の実行・実現へ」というもので、何点か政策目標が掲げられている。
第2ステージと言えば聞こえがいいが、学年末試験に落ちて、再試験を受けているようなもの。
この中で目立つのが「女性・高齢者生かし500万人就労拡大」「公務員の配偶者手当見直し」「配偶者控除などの見直し」「外国人滞在期間を最長8年に」「日本で働く留学生を2割から5割に」といったように、成長に必要な労働人口の確保策。抵抗勢力のないところを狙っているのば見え見え。
さらには、企業の生産性向上もうたっているが、労働人口の減少を、なんとか生産性の向上で補おうとうする意図であろう。これも既得権益とは無関係。それどころか、補助金もありうるかもしれない。
政府予測では、2010年には8000万人以上の生産年齢人口は、2030年に6700万人ほどになるということだから、年平均65万人も減っていく計算だ。上記の対策だけで,労働人口減少分を補うのは,なかなか難しい。安倍ドリルも品切れ、ないし、息切れか。