失業率は先行指数?

先行、一致、遅行指数

 経済動向を示す指数には先行指数、一致指数、遅行指数の別がある。先行指数には、最終需要財在庫率指数、消費者態度指数、新規求人数、中小企業売上見通しDIなどがある。景気が良くなる、悪くなる前に、この数値が先に動き始めるので先行指数という言い方をする。一致指数には、鉱工業生産指数、投資財出荷指数、大口電力使用量がある。遅行指数には完全失業率、家計消費支出、法人税収がある。家計消費支出が遅行指数とされるのは、収入が下がっても生活の質は急には落とせないからだ。これをラチェット効果と呼ぶ。

失業率は先行指数?

 失業率は通常遅行指数と言われる。しかし、失業率がこれだけ急速に上がってくると、明日は我が身と思ってしまう人も多いだろう。そうすると失業率が下がると、それを追いかけて消費が落ち、鉱工業生産も落ちてしまうかもしれない。だから失業率は先行指数としての意味を持つのではないかという発想が出てくる。
 実際、今消費者は失業していようと、いまいと、徹底して節約志向に入っている。CPI=消費者物価指数は現状を表していない。CPIは、標準価格を基準にしている。そのため、PB商品が溢れても、どれだけ値下げがされても、CPIには影響しないからだ。しかし商売をやっている人は、今の国民の節約志向を身にしみて知っているのではなかろうか。