IMF出資比率 中露印伯が増資を要求

BRICsが結束

 G7財務相中央銀行総裁会議が開かれた10月3日、BRICs4カ国=中露印伯の財務相会議も行われた。中印伯三国は、金融危機IMF債700億ドルを購入して協力したが、そのご褒美が貰えていない。ご褒美とはIMFへの出資比率だ。IMFでの発言権は出資比率に応じてのものになる。前述のIMF債は、出資ではないので、いくら払っても発言権は増えない。BRICs4カ国は、自分たちにもっと出資させて、発言権を寄こせと要求している。

出資比率は欧米偏重

 IMFへの出資比率は各国のGDR等をもとに決めることになっているが、経済力の変化に追いついていない結果、中国はGDP費でいうと7.47%なのに、収支比率は4%しか認めてもらっていない。現時点では、結局見直しについて中国の主張は通るだろう。しかし、米国は心穏やかではない。というのもIMFは出資比率85%以上の賛成がないと、重要な決議ができず、現状17.67%の出資比率を持つ米国が賛成しないと、重要な決議は一切できないことになっているが、その地位を将来失いかねないからだ。
 米国の世界GDPの17.82%、IMF出資比率は17.67%。まだ一国で拒否権を行使できる存在だが、BRICsがさらに経済成長すると、米国のGDP比率は15%以下になって拒否権を失ってしまうからだ。

出資比率と計算上のGDP比率

  国名     現在の出資比率  世界GDP比
 米国       17.67     17.82
 日本        6.56      6.99
 ドイツ       6.11      6.99
 英国        4.51      4.58
 フランス      4.51      4.21
 中国        4.00      7.47
 イタリア      3.31      3.10
 サウジアラビア  2.93      0.85
 カナダ       2.67      2.43
 ロシア       2.50      2.43