振り込め詐欺 2月の逮捕者は最多の74人

警視庁 振り込め詐欺犯人74人逮捕

 警視庁振り込め詐欺緊急対策本部は2月27日、2月26日現在未遂を含めた認知件数は89件統計を取り始めた05年1月以来で過去最低の水準となる見込み。逮捕者は既に74人で最多となった。

出し子を逮捕

 同庁は昨年10月「振り込め詐欺撲滅月間」に指定し、警官を銀行等のATMに張り付かせたり、金融機関に協力を求める等、対策を強化し、それまで増加を続けていた振り込め詐欺を減少させた。
 警視庁は2月も「振り込め詐欺撲滅月間」に指定。手渡し詐欺で現金の受け取り役「受け子」をおびき出す作戦を展開。今月6日には、振り込め詐欺の電話を受けた都内の女性(77)の自宅で待ち伏せした尾久署員が、訪れた受け子の男3人を詐欺未遂容疑で逮捕したケースなどがあった。
(日経09.2.28朝刊)

麻薬のおとり捜査との違い

 警官が「薬はないか」と客を装って、うっかり麻薬を警察官と知らず売りつけたところを逮捕するおとり捜査だと、刑事訴訟法上違法となる可能性がある。警官が犯行を誘発したことになるからだ。
 しかしこの場合は違う。既に振り込め詐欺の犯人は、老女に電話した時点で、詐欺罪の実行の着手がある。その後呼び寄せて逮捕したとしても犯罪を誘発したことにならないからだ。