シリア内戦の実相

GW中読んだ本の一つがこの本です。いろいろと勉強になります。
1 シリアの政府軍は既に数千人しかおらず,既に崩壊している。
2 政府軍の実態はヒズボライラクシーア派民兵組織,イラン革命防衛軍の特殊工作を担当するクドゥス部隊というシーア派連合。
3 反政権側は,ヌスラ戦線,ISというスンニ派連合とクルド部隊。
4 反政権側の中でもヌスラ戦線&ISとクルドも対立。
5 反クルドのトルコは裏でISとつながっている。
6 ロシアは,政権側が勝利すれば,シリアがイランの属国となるため,シリアで影響力を残すべく,空爆を実行。
7 5&6のため,トルコがロシア機撃墜。
8 シリア内のキリスト教東方正教会の別派であるが,東方正教会が国教のロシアと親和性が強い。
  (アサドは国内のキリスト教系市民に「自分には頼らず,ロシアを頼れ」と言っているとのこと)
8 サウジは反イラン故に反アサド。そのため国民がISに参加するのを黙認。
9 反IS,親アサドという立場を共通にするイランとロシアは今は手を組んでいる。
10 しかし,イランとロシアは仮想敵同士。今後シーア派が多数の原油アゼルバイジャンにも警戒が必要。
「中東複合危機から第三次世界大戦へ〜イスラームの悲劇」
https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-83005-6