米破れて蕎麦があり

農水省が8月下旬に集計したところ、今年産の主食用米の減反は超過達成できる見通しとなった。主食用米の作付面積は141万2000haで、生産数量目標の面積換算値142万haより8000haも少ないのだ。超過達成は、生産調整の仕組みを数量配分方式に変えた平成16年以降、初めて。超過達成の主因は、飼料用米への転作が進んだこと。飼料用米の作付面積は、前年度の2.3倍に当たる7万9000haにまで増えている。
飼料用米に転作すれば10aにつき5.5〜10.5万円、多収穫専用品種を作付ければプラス1.2万円、飼料用米のわらを家畜の飼料に利用すればプラス1.3万円の補助金が出る。主食用米の10a当たりの収益は10万円程度で、飼料用米をただで売っても、主食用米を作付けた場合と同程度の収益が得られることになる。
さらには地方では高齢化が進み、米作りから手間のかからない蕎麦作りに添削が進んでいる。蕎麦は雨水だけで育つため、用水整備は不要だが、それでも用水整備でせっせと国の金が使われている。
先日、元山形大学教授の方と話す機会があったが、山形ではかつての田んぼがドンドン蕎麦畑に変わっているという。
TPPでも米は聖域とされ、米農家はかなりの程度救われたが、国は日本の農業の何を守っているというのだろうか。