トランス脂肪酸 米国で規制始まる

米国FDA(食品医薬品局)は2015年6月16日に、部分水素添加油脂をGRASから除外する規制を決定しました。
GRASとは米国における食品添加物などの安全性の基準で、従来から使用されているため、特に安全性の試験をしなくても使用が認められる物質、すなわち「一般に安全と認められる物質」の意味で、FDAで安全性を検証した結果、安全性試験なしに添加することが認められたものである。逆にいえばFDAが安全性を認めれば食料品に添加できることになる。
マーガリンやショートニングなどの原材料となる「部分的水素添加油」を製造する際に一部不純物として発生するのが、トランス脂肪酸脂肪酸だ。本来常温では液体である植物油を固形に加工するために水素添加する過程で発生してしまう。摂取すると心臓疾患の一つである冠動脈疾患のリスクを上げることが確認されていて、世界各国で規制の取り組みが進められているが、FDAがついに規制に動いたということだ。米国では、FDAが規制する前から、各種商品が「トランス脂肪酸フリー」をうたい、安全性をアピールするなどしており、同規制は後追いと言われても仕方ない。しかしトランス脂肪酸を野放しにしている日本よりよほどましである。