司法取引

日本でも司法取引を取り入れるかどうかについて議論があります。
サンフランシスコ公設弁護人事務所のジェフ・アダチ弁護士のレポートを読みましたが、全米で刑事事件の95%が司法取引で処理され、取引が成立すれば公判審理を経ずに、一定の量刑が下されるといいます。
司法取引で一番の問題は共犯の引き込みです。米国では頻繁に起きており、誤った情報に基づき訴追される例も散見されるそうです。また取引に応じなかった場合、検察が公判で不当に重い刑罰を求刑することもあるといいます。
ところで日本の裁判でも司法取引が問題になったことがあります。ロッキード事件でコーチャン、クラッター、エリオットの3名が起訴されずに嘱託証人尋問調書が作成され、地裁はこれを証拠採用しましたが、丸紅ルートの最高裁では共犯者に刑事免責を与えた上で得た供述を事実認定に用いる司法取引という制度を日本の法律は想定していないとしてコーチャンとクラッターの嘱託証人尋問調書の証拠能力を否定しました。