不動産価格指数制度 本格的運用スタート

3月15日付国交省の発表によると、12年8月より試験運用が行われてきた不動産価格指数が、今般本格運用に移行されることになった。
これまで、不動産価格公示制度として、国交省が毎年1月1日時点の地価を評価し、3月に公表する公示価格制度、都道府県知事が毎年7月1日時点の地価を評価し、9月に公表する基準地価格制度だけであった。
しかし、個々の不動産の算定の基礎資料としては有用であるが、地価動向を示すには十分ではない。このため、消費者物価指数のように、一定年度の地価を100とした指数で、地価の上昇、下降傾向を見やすくするようにしたものである。この制度は、2010 年1月〜12月までの平均値を100としている。
不動産価格指数は国内的要因というより、国際的要請によってできた制度である。2007年のサブプライムローンや、スペインや英国での不動産バブル崩壊が、金融・経済危機を引き起こしたことから、不動産価格の変動に関する情報が不十分であることが世界的に広く認識されるようになった。このため、不動産価格の動向を、国際的に共通の指針の下、迅速かつ的確に把握すべく、2009年、IMF等からG20諸国に対して、不動産価格指数(住宅)を公表するよう勧告が出された。こうした勧告を受けてできたのがこの制度なのである。
国際指針に基づき、住宅地、戸建住宅及びマンション価格の月次の変動が、全国・ブロック別・都市圏別・都道府県別に毎月公表される。これにより、経済に大きな影響を及ぼす不動産市場の動向をタイムリーに国際比較することが可能となり、マクロ経済政策・金融政策等への活用が期待されるほか、不動産市場の透明性の向上、ひいては国内及び海外からの不動産投資の活性化にも資することが期待される。
従来の公示価格、基準地価格が更地の土地を想定して、個々の土地の価格を評価しているのに比べ、不動産価格指数は、住宅地、戸建住宅、中古マンションの価格を、地域別に、総合的に評価して決めている。
http://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo03_hh_000193.html