黒田国債リスク資産発言 バーゼル委の議論が発端

2月10日の経済財政諮問会議は財政健全化がテーマでした。
黒田総裁は、ヨーロッパで国債をリスク資産とみなし、銀行への規制を強化する議論が始まっていると説明し、日本国債の格下げに絡み、「安全資産とされている日本国債も持っていることでリスクになり得る」などと、5分以上熱弁したとのことです。
http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000044868.html

黒田発言の欧州云々は、バーゼル委員会での議論。3月10日の日経朝刊によると、銀行の自己資本比率規制について、国債も格付け如何ではリスク資産と見なすべし、という議論が英独からなされたそうです。実際こういった議論は、数年前からある話で、今このタイミングで記事になった理由はよく分かりません。

欧州中銀の債券購入プログラムが9日始まりましたが、マイナス利回りの国債券購入による損失負担についての議論については、決着がついていないようです。当面、マイナス利回りの国債購入は避けることになるかもしれません。こうしたタイミングでの議論であるならば、国債をリスク資産とする議論も、英独がこの議論を有利に持って行くためのジャブなのかもしれません。
しかし、それは憶測、黒田総裁は名うての国際派ですから、こうした議論が実際のものになりそうな雰囲気であることを、皮膚感覚で悟ったのかもしれません。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/150311/mcb1503110500009-n1.htm