中国版アジア開発銀行 米国が「歓迎」?

世界銀行のキム総裁は7月8日、中国が主導する「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」構想を歓迎する意向を示し、新たなインフラ銀行設立が実現すれば、世銀が協力する姿勢であることを明らかにした。
14年7月9日ロイター
この談話の背景には、「発展途上国で必要なインフラ投資の規模はどの推計をみても、年間約1兆ドル以上」「民間から確保できる年間投資額約1500億ドルを大幅に上回っている」という金発言に現れている。
世界銀行は歴代総裁を米国人から出しており、キム総裁も韓国系米国人。アジア開発銀行も米国影響下にあり、この二つの国際金融機関は、国際金融面での米国支配の大きな道具になっている。アジア・インフラ投資銀行は、こうした米国一国支配に対する挑戦と受け取られていて、米国の対応が注目を集めていたが、今回のキム総裁の発言は、米国が国際金融面では、中国との戦略的関係を重視する意向が現れていると言って良いかもしれない。