経常黒字最小の7899億円

財務省が5月12日発表した国際収支統計によると、13年度の経常収支の黒字額は前年度より81.3%減の7899億円だった。日経は、原発を止めてるから燃料輸入が増えて収支が悪化したと強調しているが、それは少し違う。
昨年の輸入額は、81兆2672億円。2013.12.18日経Web刊自身認めているところによると、原発停止の影響額は「年間で4兆円程度」だから、大きな要因ではあるが、構造的要因にはならない。
要は生産拠点が既に海外に移ってしまっているため、円安メリットが輸入増につながらないことにある。じゃあ何をしたらいいのか。米国債に偏っている対外資産の構成を再検討する必要もあるだろう。自分が期待しているのは訪日観光客だ。観光庁は13年12月、訪日外国人数が今年、政府目標の1000万人を突破したことによる経済波及効果が約3兆3千億円と発表した。この数字は韓国にも負けている。もっと伸び代はあるだろう。
数を増やすことも重要だが、滞在日数を延ばすことも必要だ。外国人の滞在日数が2倍になれば、訪日外国人が2倍とは言わないが、1.5倍くらいになるのではないか。
観光客だけでなく、大学も留学生の呼び込みに力を入れればいい。医療ツアーもいい。日本の医師会は強欲で、医師を増やすことに反対してばかりだが、高齢化も進むし、医療ツアー客の呼び込みを考えれば医学部をもっともっと新設する必要がある(キューバは医師で貴重な外貨を稼いでいる。)インドネシア、フィリピンから来た看護師志望者に、難しい日本語の試験を出して、合格させないようにするより、もっと緩めて、そうした看護婦が海外客を相手にするようになれば、大いに役立つのではないか(特にフィリピンは英語に強い)。
まだまだやることがありそうだ。