ノマド・ワーカー

ノマドとは遊牧民の意味。ノマドのカリスマと言えば、安藤美冬さん。彼女は1980年生まれ、慶大卒業後、集英社でファッション誌、書籍単行本の広告宣伝を担当し、2008年には社長賞を受賞後、2011年1月に独立し、株式会社spree代表となったという人。ソーシャルメディアでの発信とセルフブランディングを駆使し、一切の営業活動をすることなく、複数の肩書で複数の仕事をする独自のノマドワークスタイルを確立し、TBSの「情熱大陸」でも取り上げられた。しかし、こういう自営でノマドをやって食っていける人は少ないだろう。まず信用されない。この人は、そもそも輝かしい経歴があるからやっていけているだけ。凡人は、銀座、青山に事務所を借りて箔をつけるほうがいい。
このブログで取り上げるのは、これとはまったく別で、会社員がするノマドだ。会社には自分のデスクがあるのに、あえて、カフェや図書館にパソコンを持ち込んで仕事をする人、という意味でこの言葉を使う。
「どこでもオフィス仕事術」の著者の中谷健一さん、こうした会社員ノマドについて、いわく「仕事は1時間程度など短く区切るといい」「社外の仕事の最大の効果は、場所を変えて気分転換し、集中力を高めること。ダラダラやると逆効果」とのこと(平成25年4月20日付日経の「とことん試します」欄)。
外で仕事するのに必須なのが、電源、無線LANの確保だが、これも「電源カフェ」なるサイトが役に立つ。都内でこうした設備に熱心なのは、ルノアール。マックも場所によっては、こうした設備を設けている。同サイトは都市部・首都圏だけでなく、日本全国の電源カフェを紹介。例えば沖縄県北谷町を検索すると1軒だけだが、「北谷アラハビーチの近く58号線沿い(サンエー ハンビータウンより北)にある電源カフェCREATORS RESIDENCE」なる店が紹介されている。この店のHPをのぞいたら、えらくおしゃれな店で、居心地もよさそう。唯一の難点は沖縄の北谷だということ。それに、内装がおしゃれすぎて仕事にならないかも。
http://summer-time-studio.com/CreatorsResidence/index.html
自分もノマド・ワークをすることがある。事務所にいると、電話だ、決裁だ、何だと、落ち着かない。いらいらして、ちゃぶ台返しをしたくても机が重くてできないし、机を蹴れば足の指を突き指しそうだ。そんなとき、外のカフェに避難することがある。ただ、マックが一番安いし、椅子も固いので集中できるのでいいのだが、事務所の近くにないので、値段は高いがヴェローチェか、サンマルクに避難する。そう、ノマドの欠点は金がかかること。お小遣い制の人にとっては決して安い出費ではない。
そうした人にお勧めなのが、ノートを使っての5〜10分ごとのスケジュール管理。細かい仕事に追われている人にはぜひ実践してみてほしい。横罫ノートに縦線を入れ、縦割りを作る。例えば、決裁はK、電話はT、文書作成ならB、資料調査ならSなどと記入に時間がかからないようにする。対応先に、決裁に来た部下の名前、連絡した取引先名、資料作成ならどの案件と、書く。後で見返すことで、どの仕事に時間を取られているかが分かる。