米経済も減速モード

米国の景気回復の緩慢さが目につくようになった。
今年の初めは非農業門雇用者数が前月比20万人を超え、いよいよ景気回復も本格化したとの見方もあったが、4月には早くも失速。前月比11万5000人増と、予想の17万人増を大幅に下回った。6月も8万人増にとどまり、第2・四半期の雇用者数の伸びは月平均で7万5000人となり、第1・四半期の22万6000人から大きく鈍化した。
6月の小売売上高は前月比0.5%減と、3カ月連続で減少した。先月数値−0.2%よりも悪化している。3カ月連続の減少は2008年終盤以来。
米商務省が27日発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)速報値は年率換算で1.5%増と、11年第3・四半期以来の低水準となった。第1・四半期GDPは2.0%増(改定値)だから、0.5%のマイナスとなる。
20日時点での米国企業業績の集計だが、増益率は平均29%に達した。しかし、売上高を見れば状況は異なる。決算発表を済ませた企業のうち過半数の56%がアナリスト予想を下回り、売上高の伸び率は平均わずか2.5%にとどまった。
今までは個人消費は弱いが、企業業績が好調なので、米経済は好転するというのが今までの大方の専門家の意見だったと思うが、企業業績も危うくなり始めている。