中国 バーゼル3への移行遅れる

 今中国の銀行規制はバーゼル1に対応しており、自己資本比率は8%あれば足りることになっている。しかし、中国政府は銀行規制をバーゼル3に対応させることを表明している。世界的には、13年から段階的に導入され、19年まで完全実施されることを予定されている。完全実施となると自己資本率を10.5%以上に高めなければならない。
 中国は16年末までに、完全達成することを目指してきたが、18年末までにと、実施を遅らせることにした。中国では預金と貸金の基準金利が決まっており、3%ほどの利幅が保証されているため、銀行の利益が出易い仕組みになっている。最近貸出金利の下限が基準金利の0.9倍から0.8倍になると共に、預金金利が基準金利の1.1倍まで認められるようになり、銀行間での競争が依然に比べ激化し、利益が得られにくくなるとの見立てもあるようだ。
 また、地方銀行地方融資平台(平台とは中国語でプラットホームのこと)向けの融資がかなりあり、そのかなりの部分が不良債権化するとみられている。