日銀審議委員人事 自公の反対で否決

 4月5日の参院本会議で、日銀審議委員にBNPパリバ証券のチーフエコノミストの河野龍太郎氏を起用する国会同意人事案を、自民、公明両党などの反対多数で否決された。審議委員の定員6人中、2人が4日で任期満了となったが、2人空席の異例の事態となる。
 自公の反対理由は「デフレ脱却に向けた金融緩和に慎重」というものだが、民主党の中で異論がある人選だった。
 3月29日の民主党財務金融部門会議で複数の議員から反対意見が出た。会議では同研究会会長の小沢鋭仁河野氏の起用は金融緩和にやや逆行している感があり、基本的には賛成しかねると発言。同研究会幹事長の馬淵澄夫も疑問を呈した。「ほぼ発言者の全員が反対だ、積極的にこの人がいいという意見、消極的に容認すべきだという意見は出なかった」とも伝えられている。
 来年4月には、白川総裁も任期終了となる。白川さんはとかく、学者的発言が多く、発信力も乏しかった。何よりも、世界が仁義なき通貨安戦争に明け暮れていたときに、あまりに優等生的対応が目立ち過ぎた。良い流れができれば良いが。