米雇用統計改善

5日発表の7月の米雇用統計。非農業部門雇用者数は前月比11万7000人増加。民間部門は15万4000人の増加。5月と6月の非農業部門雇用者数もそれぞれ5万3000人増と4万6000人増に改定され、計5万6000人上方修正された。失業率は6月の9.2%から9.1%に低下した。
 4日はダウ平均が512ドル下落、日経平均が一時395円下落、NY原油先物も5.8%安のバレル86.63ドルと90ドルを大幅に割ったが、今回の市場予想を上回る数字で、持ち直しが期待される。
 もっとも、現在も1400万人近くが求職中。失業者の44.4%に相当する620万人が再就職が難しくなる6カ月以上失業している。金融危機で失われた雇用が800万人近く回復していない。
 QE2が始まった10年11月3日、1万1200ドル弱だったダウ平均が、11月4月下旬には、1万2800ドルと、14%上昇していたが、4日の終値は1万1383ドル。QE2による株価上昇効果の9割が失われている。欧州も先行き不透明で、中国も経済減速懸念が伝えられる。7月の米雇用統計結果も、ひどくはないが、救いになるような数字でもない。