日立と三菱重工 事業統合なるか

日立、三菱重工業が事業統合

 日立製作所三菱重工業が、原子力発電や社会インフラなど主力事業の統合を目指して協議に入ったとの報道が各紙をにぎわしている。13年春にも新会社を設立する方向だという。
 実現すれば世界有数の総合インフラ企業となるが、ハードルは高いという。かつてのサントリーとキリンのようにならないとも限らない。実際、両社は4日夕に予定していた発表を先送りした。

合併への具体的ハードル

 4日付毎日新聞は「将来の経営統合を視野に入れている日立と、一部の事業統合にとどめたい三菱重工の間に温度差がある」との関係者の談話を紹介している。
 時価総額は日立が約2兆1300億円、三菱重工が約1兆2200億円と、日立が大幅に上回っており、合併となれば日立が三菱重工を吸収することになるが、「三菱グループの中でも特にプライドが高い重工が、その経営判断をできるだろうか」(三菱グループ幹部)との指摘も出ている。
 統合範囲が特定事業に止まるとしても、両社の事業が多岐にわたっているため、どこまでを対象とするのかについて、話しがまとまるのか危惧する声もある。
 統合の最大の目的の一つとみられる原発事業についても、ロイターは「日立はGEと、三菱重はフランスのアレバと提携しており、GEとアレバがそれぞれ、日立と三菱重の統合をすんなりと認めるのかどうかも現時点では不透明だ。」と指摘する。