野田財務相円高介入発言するも ドル安の勢い止まらず

 野田佳彦財務相は7月24日、広島市での民主党の会合で講演し、「マーケット(市場)や欧米の状況だって注意深く見守っていかないといけない。必要があれば断固たる措置をしていきたい」と述べ、外国為替市場での円高に対し、円売りの為替介入に踏み切る可能性を示した。
asahi.com http://www.asahi.com/business/update/0724/TKY201107240528.html
 白川日銀総裁も25日、都内で講演し、「(円高が進めば)輸出や企業収益の減少、企業マインドの悪化などを通じて景気に悪影響が及ぶ可能性があり、注意深くみていく必要がある」と強調し、金融政策運営については「必要と判断される場合には適切な措置を講じていく」と述べた。
ロイター2011年7月25日14:21 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-22347020110725
 政府日銀が協調して口先をした訳だが、25日の欧州外為市場でドルが幅広く下落し、対スイスフランで過去最安値を更新、対円では3月半ば以来の安値となる78.05円まで下落した。
 いくら口先介入しようと、その程度では米政界の債務上限引上げ問題をめぐる混乱という大嵐の前では、手で扉を押す程度のことにしかならなかったと言える。
 欧州では、仏やECBが必死で火を消そうとしているのに、ドイツが油を注いで火事を煽っている。米国では既に家に火の子がかかっている横で、民主党共和党が掴みあいの大喧嘩をして、どちらも火を止めようとしない。政治の貧困が世界経済を崖っぷちに追い込んでいる。