中国、景気減速と物価上昇の同時進行

景気減速の懸念

 中国人民銀行は7月6日、政策金利を25ベーシスポイント引き上げた。今年3回目の利上げであり、預金準備率も毎月上がっている。7月1日発表の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.9。3ヶ月連続で前月比2年4ヶ月振りの低水準となった。昨年末で販売補助策が打ち切りになった自動車、マンション販売の不調の影響を蒙った家電に販売減速の動きが目立つ。

物価上昇懸念

 7月9日発表の中国の6月の消費者物価指数は前年同月比6.4%も上昇。5月の5.5%を大幅に上回っている。ことに食品が16.4%の上昇。中でも豚肉は4割上昇。エンゲル係数の高い低所得者層への影響が大きい。同日発表の6月の工業生産者出荷指数(卸売物価)は前年同月比7.1%上昇している。卸売物価指数の上昇は、将来の消費者物価指数に影響するので、今後しばらくは物価上昇が続きそうだ。