ソニー個人情報流出 東電並の失態

7700万人の情報流出

 ソニー・コンピュータ・エンタテイメント(SCE)のインターネット配信サービスにハッカーが侵入7700万人の、名前、住所、メールアドレス、生年月日、会員ID、パスワードといった個人情報が流失した可能性があるという。さらにはクレジットカード番号も流出した可能性を否定できないという。

トヨタ、東電と続き、次はソニー

 ハッカーがネットワークに侵入、一部の会員の情報を書き換えたことで、この事実が発覚。SCEは4月21日にネットワークの運用を停止した。問題は中止した後、調査に手間暇をかけ、27日ようやく情報流出を発表。結局1週間も発表が遅れた。
 トヨタのリコールの遅れ、東電の情報秘匿ときて、次はソニーである。運用を停止したわけだから、当然トップはこの情報を掴んでいたはずで、全く言い訳が効かない。運用中止に際してSCEは「障害が発生した」と嘘をついていた。
 ソニーはクレジット情報は暗号化しているとしているが、ソニーがもっと早く発表していたら、利用者はすぐにもカードの利用を停止していただろう。米国内では、すでにソニーに対して訴訟を起こした人間がいるという。

グーグルはどう動くか

 昨年5月、ソニーとグーグルがネットTV・携帯端末など開発・サービスで提携するとの発表があった。
 グーグルのOSや米インテルの高性能MPUを採用し、パソコン並みのデータ処理ができる新型テレビを製品化することを目指していた。これにより、利用者はテレビにゲームをネット経由で取り込んだり、ユーチューブの映像を見たり、テレビ画面を分割、メールやブログを利用する使い方も可能になる。
 しかし今回の一件で、グーグルとの提携も影響を受けるかもしれない。

「やっぱり」な記者会見結果

 5月1日平井一夫ソニー副社長は記者会見で「膨大なデータを解析する作業に時間がかかったが、できるだけ確度が高い情報を提供したかった。」と釈明(11.5.2日経オンライン)。これって原子力安全委員会保安院が4月12日、大気中への放出放射性物質の量は37万ないし63万テラベクレルと発表したときと同じセリフだ。これも1ヶ月前のデータを、「確度の高い情報を」と、ずっと後生大事に抱えていた結果だ。日本病を露呈した記者会見を日本人みんなが恥ずかしい思いをしたに違いない。ソニーも、かつての輝きを失い、いつからこんな情けない企業に成り果てたのか。大賀さんも草葉の陰で泣いている。