改正商品先物取引法完全施行

改正商品先物取引法完全施行

 商品先物取引所法が改正により、商品先物取引法に改称された。第1段階、施行、第2段階が既に施行されており、平成23年1月1日から第3段階が施行されることで完全施行となる。

対外競争力のための改正部分

 商品取引所の対外競争力を強化するための改正と、消費者保護のための改正との2点を含んでいる。競争力許可のための改正ポイントはいかの通りである。

  1. 取引所の使い勝手を良くする。このため、改正法は商品取引所法と海外先物法の一本化、委託証拠金が銀行保証で行うことが可能に、商品ETFの解禁等を新たに規定している。
  2. 市場の透明性の確保がある。相場操縦等の不正行為を規制するため、当局への報告義務、違反行為への罰則整備をしたり、海外当局との情報交換を規定している。
消費者保護のための改正部分

 消費者保護のために以下の改正を行っている。

  1. 取引所外取引、海外先物取引に、参入規制(許可制)を導入。
  2. 商品取引員(先物会社)の行為規制に強弱をつけ、プロについては規制を緩和し使い勝手を良くし、アマについては十分な保護を実現する。
  3. 委託者保護基金制度の機能を強化
  4. 差玉向かいについての説明責任を定めた差玉向かいとは、板寄せ(逆が「ざら場」)による取引について、業者が個々の客の建玉に対してではなく,多数の客の売玉枚数と買玉枚数の差の部分に対して自己玉を建て,常に売買枚数が同数とするか,同数に近い状態で取引所に注文を出す方法をいう。この差玉向かいを行っている先物業者が、経験のない客から、差し玉向かいをしている商品について注文を受けた場合,客に対し,その取引について差玉向かいを行っていること及び差玉向かいは商品取引員と委託者との間に利益相反関係が生ずる可能性の高いものであることを十分に説明すべき義務を負うとした最高裁判決が平成19年7月16日に出された。 これを成文化した。
  5. 勧誘目的を明示しない勧誘の禁止。商品市場における取引等につき、その勧誘に先立って、顧客に対し、自己の商号及び商品市場における取引等の勧誘である旨を告げた上でその勧誘を受ける意思の有無を確認することをしないで勧誘すること。(取引を希望しないことを表示した顧客に対しさらなる勧誘は、旧法においても禁止されている)
  6. 商品取引契約の締結の勧誘の要請をしていない顧客に対し、訪問し、又は電話をかけて、商品取引契約の締結を勧誘することは禁止される。