菅首相 円介入を公言

 菅さんは9月10日の小沢さんとの公開討論会で、円高阻止に向けた協調介入は難しいとし、「少なくとも日本が何らかの行動を取ったとき、ネガティブなことは言わないでやってほしいといろいろ言っている」と発言。要は、「欧米にも黙認するよう、下交渉しているぞ。」と言いたいのだろうが、そうした密室でやるべき話をテーブルの上に乗せてどうするのだろう。
 為替介入というのは、国際政治的に非常にデリケートな話の筈だ。米国は、現在も中国に対して、為替操作をしていると非難し、議会では報復関税の話も出ている。菅さんの発言は、余りに直接的で、他国への配慮も全く感じられない。女性をホテルに誘うのに「君とHしたいからホテルに行こう」なんていう人はいない。「今日も遅いから、ホテルに泊まろうか」というのが普通だろう。世の中には、本音と建前がある。相手の感情の敏感な部分について、本音を言うのは野蛮人のやることだ。陸奥宗光は「政治はアートなり、サイエンスに有らず」と言ったそうだが、菅さんにはそういう頭はないらしい。
 とにかく、ここまで言ったら、本当に介入をやるしかない。かえってやらないと、市場から馬鹿にされて、円が高くなるだけだ。