武富士の返済能力

武富士から返済猶予の連絡が

 武富士は原則提訴で対応している。訴訟になっても、半年後とか1年後に支払うとの和解案しか出てこないため、どうしても判決になってしまう。普通なら、判決が出ると、業者の方から連絡してきて「いくらいくらを振り込むので、振込先の口座を教えてほしい」と言ってくるが、武富士は違う。すぐ連絡して来ないので、こちらから連絡すると、「●日までに延ばしてくれ。」と言ってくる。差押えによる回収にも時間がかかるため、その日に払ってくれるならということで、了解する。しかしお客さんに連絡するのはこちらなので、大変な迷惑だ。ところがその日になって再度延期を言ってくることがある。

強制執行の有効性

 強制執行か期限猶予か判断を迫られる。預金口座の差押えの場合、差押え時点の残高しか差押えできない。差押えの通知は、郵便で送達されるため、複数の差押えが同時に銀行に到着することになる。口座に3000万円程度の残高しかなく、差押え債権の合計額が6000万円ほどになったとする。そうなると銀行は法務局に預金残高を供託して、裁判所の配当手続が必要となるが、そうなるとお金が払われるのは最悪半年先。今のところ競合して供託になった例も、そういう話も聞いたことが無いが、武富士は、最近ほかでも同じことをやっているだろうから、今後は差押が競合する可能性も否定できない。過去の時点ならともかく、現状では、単純に強制執行すればいいとならないところが悩ましい。

武富士の金欠の原因は何か

 武富士の金欠の原因は何か。武富士以上に財務状況が悪いところはいくらでもある。
 武富士の事業資金の借入先が、邦銀ではなく、外銀に偏っていることに原因がありそうだ。外銀の場合、邦銀ほどに支払を延期してくれない。そのため貸し剥がしにあっているのだ。武富士には社債の償還もある。武富士もそれを越せれば、安泰と言うことなのだろうが。
 また来年4月には400億円ほどの社債の償還を控えているが、これを乗り切れるかが一番の問題だろう。