武富士の資金繰り

武富士の資金繰り

 武富士の資金繰りが最近急に悪化している。武富士は将来利息付での和解しか認めないとして、特定調停で調停に代わる決定が出ても、異議を出してくるのだが、6月のユーロ債の償還費用が用意できないらしく、6月になって急転、頭金10万を入れてくれれば将来利息無で和解すると言ってきた。19日の社債償還時期を過ぎてまた元通りの対応になったが、資金繰りの厳しい様子がうかがわれる。

武富士の銀行債務の中身

 問題は負債の細かい内容のようだ。他の消費者金融は邦銀による借入が中心だが、武富士は外銀からの借入が中心だった。社債も海外投資家が中心で、リスケを申し出ても応じてくれず、貸し剥がしにあっているらしい。他の消費者金融は邦銀借入が中心のため、流動負債も借換による延長が可能なのに比べると、キャッシュフローで大きなハンディを背負っている。この1年を乗り切れば何とかなるだろうが、この1年が正念場というのは事実のような気がする。

武富士の方針返還

 武富士は、アイフルを手本に方針を切り替えるという。減額和解を求め、他方将来利息なしの和解にも応じるというやり方だ。武富士としては和解済み債権を大量に仕込めば、これをバランスシートから切り離し、ファンドを構成し、債権を流動化できる。そうして手元のキャッシュを増やして行こうとするだろう。ただこれまで、やりたい放題をし続けてきての方針転換でスムーズに進むかが、焦点だ。