中国株、6営業日続落
中国株、6営業日続落
6月30日、上海証券取引所の人民元建てA株と外貨建てB株の両方に連動する上海総合指数は前日比1.2%安の2398.37ポイントとなり、6営業日続落となった。4−6月では23%の下落になる。
中国では、不動産バブルの様子が表れつつあり、政府も銀行に不動産融資を控えるように指導したりして、バブルを食い止めるのに必至だ。エコノミストらがこうした政策引き締め措置や、欧州債務危機の影響などを理由にして、中国の成長率見通しを引き下げるとの懸念が市場に広がり、このことが株価を下げたという見方がある。
もう一つには中国農業銀行がIPO=新規上場で2兆円を調達しようとしており、株価全体の重しになっている。さらに同行は地方政府向け融資が多く、地方政府が積極財政のやり過ぎで赤字が膨らんでいる現在、自己資本比率の低下が心配される。中国農業銀行の強引な上場も、自己資本充実のためだとすると、同行のB/Sが心配になる。
今後の見通し
BOAメリルリンチのエコノミストも「中国のエコノミストの3分の1が、不動産市場の引き締め措置を理由に、10年と11年の「過度に強気」の成長率見通しを向こう数週間で下方修正する可能性がある」と指摘した。 (ロイター)
今週号のニューズウィークも中国の景気後退見込みを特集している。現在の中国の一人当たりGDPは70年代の日本の水準に達しているとし、その後日本の景気が一時期の勢いを失ったのと同様の立場に中国が置かれているとしている。そしてその後日本が減速しながらもなお経済成長を続けたが、中国も同様の道を歩むだろうとしている。
中国高官のインタビュー記事
中国商務省の元次官である魏建国氏は6月30日、ロイターとのインタビューに応じ、要約次のような経済見通しを述べている。
- 10年の中国の貿易黒字は09年の1961億ドルから少なくとも半減する見込み。500億ドルにまで縮小する可能性もある
- GDPは第3・四半期に8―9%、第4・四半期に7―8%に鈍化する。
- 投資の伸びは鈍化し、内需が大きく拡大することはほとんどない
- 第3・四半期に景気が大幅に減速した場合、第4・四半期に政策がやや緩和される。