武富士は6月19日に2018年満期社債を繰上げ償還

武富士の支払猶予

 武富士に対して過払金訴訟を提起している件で、先日和解した案件について、武富士従業員から「資金繰りが厳しいので支払を延期してほしい」と言ってきた。断っているのだが、連日電話が来る。

武富士の資金不足の理由

 武富士のホームページを見て、返済猶予を言ってきた理由が分かった。そこには「当社2018 年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債は、下記のとおり繰上償還されることとなりましたのでお知らせいたします。」と、本年6月19日に総額414億円の社債を前払いするというのだ。2018年に償還するものを今払うのは、その間の高めの利息を節約できるからだ。しかし支払の順序を間違っていないか。8年後に返さなきゃならない借金を前倒しで払うために、今支払わなければならない和解金の支払いを延ばすなど、あっていい話ではない。
 ちなみに武富士がこの発表をしたのが、6月2日だが、「目先の資金繰り不安が払拭された」との読みから、短期のサヤ取りを狙った個人投資家などの売買でにぎわい、3日には、売買高が1590万株と前日の10倍近くになり、株価も12%近く上がった。