力士の野球とばくに思う

 日本相撲協会は6月11日、複数の力士が野球賭博をしていたことを自ら申し出たと発表。しかし、しこ名などは明らかにしていない。
 陸奥生活指導部長(元霧島)らが記者会見し、相撲界では力士間で花札などがよく行われていたことから、「賭け事に対する認識が甘い体質であったことから、彼らがそのような甘い体質のもとで軽い気持ちで手を出したものと認識しています」などとするコメントを発表。結局処分は厳重注意で終わった。
 申告した力士は「仲間うちでやっていた」と申告したというが、さらなる調査が必要だ。しかも内部の理事連中が聞くのではなく、外部の人材を登用しての審査が必要だ。
 花札は、勝ち負けがイーブンだから、仲間内の少人数でも賭けが成立するが、野球は違う。野球賭博は、これを仕切る胴元が不可欠だ。なぜか。野球チームごとに強弱がはっきりしているし、その日の先発投手も予想できるとなると、みんな勝ち馬に乗るので、賭けが成立しない。こうした場合に必要なのがハンデである。ハンデをつけることによって、負けが予想されるチームにもかける人間が出てくる。ハンデをつけるとなると、ハンデ師が必要になる。ハンデをつけた賭けになると、胴元が仕切らないと配当も出ない。こうしたことをするには組織も必要だし、やっていることが賭場開帳という立派な犯罪なのだから、素人が手を出せる代物ではない。また、いざとなったら損を被るだけの資金が必要だ。そうなると、やくざないしその枝以外に胴元になる人間がいる訳がない。だから普通野球とばくの胴元=やくざもしくはその関連となる。
 彼らが仲間内でやっていたというなら、勝った負けたに賭けるしかできない。ハンデがないとなると、相当多数の人数が賭けに加われば、オッズも形成されるず、弱いチームに賭ける人間がいなくなる。野球とばくをしたことがあると申告した力士に、その賭けの仕組みを細かく聞き出して、矛盾がないかよくよく調べる必要がある。こうした事件を取り扱ったことのあるヤメ検弁護士を調査員に加えるべきだろう。