ソニー・グーグル陣営の主要プレイヤーになれるか

ソニーとグーグル

 ソニーとグーグルが、5月21日、インターネットを利用した新たな商品を共同開発するなど、今後提携していくことで合意したと発表した。第1弾としてネット対応の新型テレビを開発し、今秋、米国で発売する。新型テレビは、グーグルの基本ソフト「アンドロイド」を搭載し、通常のテレビ放送とネット上のホームページや動画などを、一つのテレビで楽しめるというものだ。
 アンドロイドはリナックスと同様オープンソフトのため、外部のソフト会社も開発がしやすく、対応ソフトも呼び込みやすい。グーグルがライバルと目しているのはアップル。グーグルは、自社の商品開発力とソニーが蓄積した情報家電での技術を融合し、iPadなどに対抗しようと考えている。

イクスペリアもアンドロイド搭載

 日ソニーと英エリクソンが半々で出資するソニーエリクソンは、携帯イクスペリアを販売した。これも、アンドロイドver1.6を採用。通信速度がiPhoneの5倍と言われる。1ギガヘルツのCPU、810万画素の顔認識機能付きデジタルカメラや無線LANを搭載。ディスプレーは4インチのタッチパネルだ。

スタリンガー会長の御手柄か

 欧米に強いコネを持つ、ストリンガーの御手柄と言っていいだろう。グーグル対アップルという、主戦場に日本企業がプレイヤーとして立てたのはうれしい限りだ。ソニーは音楽や映画など豊富なソフト資産を抱えながら、宝の持ち腐れだったが、グーグルとの協力で、ようやく長年の課題である「ハードとソフトの融合」が実現するかもしれない。ウォークマン世代としては、ソニーの頑張りに期待したい。

アップルの戦略

 アップルは特許訴訟でライバルを蹴落とす戦法のようだ。アップルが申請していたiPhoneのタッチスクリーンを用いた操作方法に関わる特許がが09年1月20日付けで特許許可が下りている。この特許(US Patent 7,479,949)は「ヒューリスティック(発見的)手法を応用したタッチスクリーンデバイスグラフィカルユーザーインターフェースの操作方法(Touch screen device, method,and graphical user interface for determining commands by applying heuristics)」という長ったらしいタイトルが付いたもので、発明者はスチーブ・ジョブズ他24名。
 iPhoneのタッチスクリーンを用いたユーザーインターフェース、操作方法全般を特許申請したものとなっており、iPhoneと似た全面タッチパネルのユーザーインターフェースを採用した多機能携帯は、アップルの特許を侵害するものとして発売ができなくする狙いがあるのではと言われていたが言われていたが、ついに実行に移してきた。
 米アップルは3月2日、同社のスマートフォン関連の特許を侵害したとして、台湾の携帯端末メーカーHTCを提訴したと発表した。HTCは米グーグルの携帯プラットフォーム「Android(アンドロイド)」を採用したスマートフォンの代表的メーカーだ。アップルの真の標的は、グーグルで、HTCはそのスケープゴートとの見方がされている。ソニーも特許訴訟を覚悟した方がいい。