亀井金融担当相、貸金業法実施について微妙な表現

亀井金融相「貸金業法の枠組み自体を変える状況ではない」

 1月19日12:27ロイター配信記事によると、亀井金融担当相が、19日の閣議後会見で、今年6月までに予定する改正貸金業法の完全施行を控え点検作業を進めている貸金業制度のあり方について、「そうした(貸金業に対する)資金需要が客観的にあることは事実だが、その枠組み自体を変えるという状況ではないだろうと判断している」と述べた。政府系金融機関や一般の金融機関がそうした資金需要に対して対応できる努力をするべきだとし「今後、郵貯の金融業務についても、そうした零細な資金需要、緊急な資金需要にどう対応していけるか。これも検討している一つの課題だ」と語った。

PTが結成

 「改正貸金業法の見直しに関するプロジェクトチーム(PT)」が設置されることが09年11月に設置された。座長は、大塚耕平金融担当副大臣金融庁のほか、消費者庁法務省副大臣政務官がそのメンバー。
 「貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律」の付則67条に、今年6月までに「改正後の規定を円滑に実施するために講ずべき施策の必要性の有無について検討を加え、その検討の結果に応じて所要の見直しを行うものとする。」という規定が置かれており、このPTは同規定の実施のために作られたものである。
 消費者金融業者は、この規定を根拠に、改正法実施を延期するように陳情している。大塚副大臣は見直しを検討するかのようなコメントをしており、亀井金融相は予定通り実施するとコメントをしている。亀井金融相のこのコメントは、社民党の要望に配慮してのことだ。日弁連は、見直し反対、改正法の早期施行の声明を「巻き返し許さず」の集会で11月12日に公表している。
 亀井金融相は、「枠組み自体を変える状況ではない」との考えを示した、というが、枠組みはいじらないが、実施時期を先延ばしするのか、含みのある表現のため、その真意が分からない。小沢問題の進展如何によっては、社民党の協力がまだ必要になる可能性がある。

結局は延期せず、か

 結局は、完全施行時期を延期しない方向らしい。社民党は当然、予定通り完全実施することを求めているし、消費者金融の肩を持って、完全実施を延期にすることになれば、参院選に悪い影響を与える恐れが高い。(10.4.5追記)