米国雇用情勢回復せず

12月の米雇用者数 減少幅大きく

 米労働省が8日発表した2009年12月の雇用統計によると、非農業部門の雇用者数は前月に比べ8万5000人の減少となり、前月の改定値から再び悪化した。市場の予測では、3万5000人だったから、これを大きく上回った形だ。
 11月の雇用者数の改定値は前月比4000人増に上方修正され、07年12月以来23カ月ぶりにプラスに転換しただけに、市場の落胆も大きく、8日午前のNYダウは取引開始直後、一時前日比で50ドル超下落した(その後持ち直したが)。

設備過剰

 米国でも設備稼働率は低水準で推移しており、需給ギャップは解消しそうに無く、雇用の過剰感も改善しないままだ。米国は日本と違い、労働人口が増え続いている。このため雇用者数が10万人規模で増えないと失業率の本格低下にはつながらない(10.1.9日経)。

FRB

 FRBがいつ利上げするのかが、市場の最大関心事の一つになっているが、現在の雇用情勢では、FRBもしばらくは利上げはできそうにない。