MUFGが1兆円増資

09年12月1兆円増資

 三菱UFJFGが、1兆円規模の公募増資を年内にも実施する。同社の時価総額は13日終値で5兆9173億円。1兆円増資となると、発行株式数は約17%弱増えることになる。同社は昨年12月に普通株優先株で約8000億円の増資を実施したばかり。

コアTier規制対策

 9月のG20金融サミットでは、金融機関の自己資本規制強化の方向で合意。バーゼル銀行監督委員会は年内にも自己資本の新定義や新規制の細目を定めることになっているが、そこでは、自己資本比率優先株を含むTier1だけでは足りず、普通株内部留保を合わせたコアTier1についても一定水準(4%か)を確保することを求めることになりそうなのだ。

MUFG株価の動向を他のメガバンクも注視

 今回のこの発表でMUFGの株価がどうなるかだ。単純に考えると、株式総数が増えれば、一株当たりの価値も相対的に下がるので、株価は下がりやすい。しかし、三井住友FGが今年6月、みずほ銀行が今年7月に増資をしたが、株価を大きく下げることはなかった。増資が体力強化になることを期待したためと、増資をすること自体が自信の表れとも読めたからだろう。他の邦銀も注視しているだろう。邦銀は優先株の比率が高く、コアTier規制により、邦銀が狙い撃ちされる可能性がある。MUFGも、こうなるのが分かっていたら、昨年の増資も普通株中心にしたはずだ。
 今後、MUFGの株価がどう動くか、それによって、みずほ、三井住友がいつ追随するか、様子を見ている。

欧米の日本不利のルール改訂

 しかし、欧米が基準を自分の都合で作りなおして、日本が不利になるということが何度繰り返されてきたことか。スポーツの世界でも、ノルディック競技で日本を弱くするため、ジャンプの配点を低くしたり、F1でエンジンに勝るホンダが勝てないようにするため、エンジンに規制を課したり、水泳で日本選手が得意としたサブマリン泳法(バサロ泳法)を制限したり、と枚挙にいとまがない。