ロプロが会社更生手続申立 Jトラスト(旧イッコー)に事業譲渡か

11月2日会社更生の申立

株式会社ロプロは、本日11月2日付で、会社更生手続開始の申立を行った。申立は、即日受理され、弁済禁止等の保全処分、強制執行等に係る包括的禁止命令、並びに監督命
令及び調査命令が発令された。負債総額は218億81百万円。決算上の金額とは言え、意外に少ない。当然過払金債権があれば膨らむはずだ。
 このため、過払金請求をしても、今は応じてもらえず、今後は裁判所による更生計画の認可決定を待ち、強制的に減額された額の支払を受けるだけになる。

再生開始決定

 東京地裁の標準的なスケジュールでは、申立後3〜4週間後に、更開始決定が出る見込みだ。

Jトラストが支援企業に名乗り

 会社更生となると、事業を継続しながら債権を目指すことになる。しかし、運転資金に不足があっても、銀行からの融資もままならないため、支援企業の存在が不可欠となる。支援企業として名乗りを上げているのが、あのJトラストだという(09.11.3日経)。
 Jトラストとは旧イッコー。ロプロと同様、事業者金融を営む。中小企業向け商工ローンでは業界4位。新規事業者向け無担保ローンや不動産業者向け不動産担保貸付が好調だという。08年ネオラインキャピタル旧ライブドアクレジット、かざかファイナンス)代表の藤澤信義がTOBで同社の株式51.02%を取得、代表に就任している(現代表は岡本隆男)。大阪証券取引所第2部上場。藤沢さんと仲の良い木村剛さんが代表を務める日本振興銀行と提携して保証業務に注力しているという。

クレディアの悪夢再現

Jトラストがスポンサーという話を聞くと、クレディアの例が想起される。同社は07年9月21日民事再生開始決定が出された。再生会社となったクレディアに対して、ネオラインキャピタルがスポンサー企業として名乗りをあげ、同社が新たに設立したフロックスがクレディアの事業を買い取った。再生債権を4割に減額する(但し30万円以下の過払金は全額返済)という再生計画が東京地裁によって認可されたが、4割に減額されるのは07年9月21日付再生開始決定前に生じた過払金だけで、それ以降に生じた過払金債権は共益債権には減額の効力が及んでいないのだが、フロックスは大幅な減額を主張してくる。

債権者説明会

 債権者説明会は、東京、大阪で以下のとおり行される。 詳しくは、ホームページ掲載の「債権者説明会開催のお知らせ」を見ていただきたい。
( 大 阪 )
会場:大阪府大阪市中央区北浜東3−14 エル・おおさか( 大阪府立労働センター エル・シアター )
日時:平成21年11月5日 午後1:00〜午後3:00( 開場 午後0:30 )
( 東 京 )
会場:東京都文京区春日1−16−21 文京シビックホール文京シビックセンター 大ホール )
日時:平成21年11月6日 午前9:45〜午前11:30( 開場 午前9:15 )

ロプロに預けていた手形はどうなるのか

 同社に差し入れられた手形は、既にロプロの方で全て組戻し(依頼返却)を行っているということだ。そうなると、手形が銀行に交換呈示されることはない。

現在返済中の人の過払金

 現在返済中の人は、過払金が出るのか否か、気になるところだろう。同社が過払金が発生していると認識している人については、更生手続開始決定後に、同社が自主的に引き直し計算書を送るとのことだ。
 現時点で開示を希望する場合は、ホームページに取引履歴の開示請求方法が掲載されているので(トップページほぼ中央の「取引履歴の開示」をクリックする)、そちらを理由して開示請求されたい。利息制限法に則った引き直し計算は、日栄商工ファンド対策全国弁護団が推奨する計算方式に基づいて行うと、同社も明言しており、それを利用されたい。同計算用のソフトは同弁護団のHPにある。

コールセンター開設

 問い合わせには、本社コールセンターが応じている。
 0120−626−070( 受付時間 月〜金(祝祭日除く) 午前8:30〜午後7:30 )