クレディア

クレディアとフロックス

 クレディアとフロックスについて、このブログで全然触れていなかったので、以下説明したい。クレディアは07年9月民事再生申立てをしたが、かざかファイナンス(現在のネオライン・キャピタル)がスポンサー企業として名乗りを上げた。かざかがフロックスという完全子会社を設立し、そこでクレディアの事業を引き取った。フロックスは、クレディアの民事再生開始決定前に生じた過払金については、裁判所の決定に従い、利息も含め、その4割ないし30万円の大なる方を支払い、決定後の債権(共益債権)は通常通り支払うことになった。
 現在フロックスは、開始決定前に生じた過払金は裁判所の決定通り支払うが、開始決定後に生じた過払金については、大幅な減額を求めてくる。このあたりはネオライン・グループのいつものパターンである。

かざか(現ネオライン)がスポンサー企業に
  1. クレディアは、静岡県内に本社のある消費者金融だった。07年9月14日、東京地裁あて民事再生手続を申し立て、同年9月21日、再生手続開始決定を受けた。
  2. クレディアは08年4月25日、かざかファイナンス株式会社(現ネオラインキャピタル株式会社)との間で、概略次の内容でスポンサー契約を締結した。(ア)かざかは新たに完全子会社を設立し、同子会社は、吸収分割の方法で、クレディアの全ての事業の承継を受け,同子会社はクレディアに対し分割対価を支払う。(イ)クレディアは当該分割対価等をもって、吸収分割後に当社に残存する再生債権等に対し一括弁済を行う。(ウ)裁判所による減資の許可及び再生計画の認可決定が確定したのちに、上記(ア)(イ)を実行する。
  3. クレディアは,平成20年5月21日に再生計画を御庁に提出した。
フロックス設立

 08年7月8日、前記完全子会社として,下記のとおりフロックスが設立された。

民事再生計画の内容

 08年8月20日、東京地方裁判所は下記内容の民事再生計画の認可決定をした。

  1. 事業再生スキームの概要:かざかが設立したフロックスが、訴外クレディアの全事業を吸収分割により承継する。クレディアは会社分割で受領した対価等をもって届出済の再生債権者に対して一括弁済を行う。届出未実施の再生債権者に対しても、請求があれば再生債権額の確定を行った上で再生計画の定めに沿った弁済を行う。本件吸収分割は、再生計画の認可決定確定後、速やかに実行する。クレディアは100パーセント減資を実施し、フロックスが訴外クレディアに新たな出資を行う。
  2. フロックスはクレディアの債務を重畳的に引き受けた。
  3. 弁済条件

 30万円までの部分は全額弁済。
 再生債権の40パーセントの弁済率で一括弁済。ただしその額が30万円を下回る場合は,30万円を弁済する。
 潜在過払利息請求権についても、届出がなくとも失権せず、届出期限到来後であっても、当該利息返還請求権が再生債権として確定すれば、上記届出債権と同じ条件にて弁済する。
 平成19年9月21日から平成20年8月20日までに支払われた分の過払い金は共益債権として全額が支払われる。

フロックスの返済義務

 この結果、再生手続開始決定の前日である07年9月20日までに返済されたことによって生じた過払金債務は、裁判所認可の弁済条件にしたがって支払われることになったのだが、分かりやすく言うと、次のようになる。

  • 過払い金債権が30万円以下の人 過払金全額
  • 30万円超、75万円未満の人  30万円
  • 75万円以上の人は       過払金額の40%

 決定日たる同年9月21日以降返済された分の過払金債務はフロックスが全額支払義務を負っている。

クレディアの全事業の承継

 08年9月17日,クレディアの100%減資が確定し、同年10月1日、クレディアの全事業がフロックスに承継された。この結果、貸金債権及び過払金債務もフロックスに承継された。