銀行の国債保有、最高水準

銀行の貸出は減少、国債は増加

 日銀の「民間金融機関の資産・負債統計」によると、国内銀行の預金残高は573兆円と過去最高だが、貸出金は431兆円と3カ月連続で減った。変わって国債の残高は111兆円と、過去最高となった。企業の設備投資が鈍化しているし、金融危機も収まり企業も社債新発や増資等で資金調達できることになった影響もあるだろう。結局企業が借りてくれないため、お金を遊ばせとくのはもったいないため国債を買っている。

長期金利は下落

 長期金利の主要指標である新発国債10年物の利回りは6月11日に最高の1.56%となったが、その後は低落傾向。27日には一時1.3%を割り込んだ。利回りが下落すれば国債価格は上昇。今後の国債発行についても安定消化が期待される。財務省も胸をなでおろしているだろう。
 しかし油断はできない。IFRSを策定している国債会計基準審議会=IASBが、どの有価証券を時価評価の対象とするか検討中で、国債時価評価の対象となる可能性もありうるからだ。
※ちょっと前の日経では、日本の現状に配慮して時価評価の対象外となる方向との記事があったのだが、今日の日経では上記懸念が記事にあった。