12月15日アバクロ銀座店オープン

 「アバクロンビー・アンド・フィッチ」、日本では「アバクロ」と呼ばれている。カジュアル衣料専門店だが、高級志向で売ってきたブランドだ。元々はヘミングウェイも愛用したアウトドア洋品店だったが、88年現在のオーナーに代わってから、宣伝にセクシーな男性を使い、ショップにも美男子を採用。売り上げを伸ばしてきた。ブラッド・ピットマライア・キャリーデビッド・ベッカム等のセレブも愛用していることで、日本でも人気が出た。日本の有名人で愛用者として有名なのは木村拓哉浜田雅功浜崎あゆみ。早稲田の斎藤祐樹も愛用しているという。日本で出店していないため、輸入品店やネットオークションなどで定価の数倍で売られている。そのため、アメリカ土産として人気が高い。
 米国内では300店舗以上展開しているが、海外出店には消極的で、カナダとロンドンにしか出店していない。オーナーが外国嫌い。人種差別主義者とも言われ、黒人を店員に採用しなかったために訴えられ、業務改善を命じられたこともある。05年に日本法人も設立され、日本上陸も噂されたが、結局オーナーの気が変わり、実現しなかったという。しかしいよいよ実現する。銀座6丁目の中央通りと交詢社通りが交差するところのビルに入る。店舗面積は937平方メートル。H&M銀座店の約1000平方メートルとほぼ同等の広さだ。オープンは12月15日。クリスマス商戦の終盤の出店というところからして、今回の出店はドタバタで決まったのではないか。
 今回の日本上陸の決断は、米国での業績が急降下しているためとみられている。今年の第1四半期では、売上高が前年比76%減で、約25億円の赤字を計上しているのだ。消費不振が続く米国で高級衣料・雑貨など主に扱う百貨店専門店の業績悪化に拍車がかかる一方、ウォルマートなどのディスカウント店は客数を伸ばし、小売店の二極化が鮮明になっている。(米国の高級店は必死にバーゲンをやっているみたいなのでお金の余っている方はどうぞ米国に行ってみたらどうだろう。円高にさらに進みそうだし)
 アバクロも、節約志向に勝てず、秋から大幅に値段を下げるという。銀座店でも値下げ後の商品が並ぶから、客は来るだろう。しかし、H&Mもかつての面影はない。アバクロの銀座店出店は吉と出るか、凶と出るか。