G2をめざす米国は中国のポチとなったのか

米中戦略・経済対話

米中両国の閣僚による「戦略・経済対話」が27日、ワシントンで開幕した。経済ばかりでなく、安全保障分野についても議論しようというのである。米国は、先進国代表米国対新興国代表中国という位置づけを明確に打ち出した。要するに世界のことは、米中のG2で話し合って決めて行こうというのである。

G20で決められないことをG2で決める

この複線にはG20がある。当初は世界のことは先進国同士G7で決めようということだったが、新興国が経済的プレゼンスを増し、G20という枠組みでないと世界経済の課題を解決できなくなってしまった。しかし20カ国も集まって、ワイワイやったところで話がまとまる訳がない。そこで米国が考えたのがこのG2路線だ。

中国が米国債を短期債にシフト

米国には、世界的な問題を中国との間で話し合いたいということのほかに、中国に米国を救ってほしいという情けない事情が存在する。中国は、今や世界最大の米国債保有国である。しかも中国の保有米国債のうち1年以内に償還期を迎える短期債が、リーマンショック前は3%だったが、今年5月には26%にまで増えているのである(保有高4位のブラジルは0%から8%、5位のロシアは24%から48%、13位インドは24%から58%。一方2位日本は9%変わらず、3位英国は15%から18%)。これは米国にとっては中国に首根っこを掴まれたに等しい。米国は今後米国債をどんどん発行して行かないと、経済対策が追い付かない。そうすると、中国に国債を買ってもらわないとならないのだが、中国の保有国債のうち1年以内の短期債が増えているということは、米国は毎年中国のご機嫌伺いをしなければならないということだ。

ウィグルと言う踏み絵を踏めなかった米国

このことはウィグル暴動事件にも関連する。私は、中国は、ウィグル事件の踏み絵を米国に迫るのではないかと、以前ブログに書いた。米国が、かつてのチベット問題のように、毅然とした態度をとるかどうか、という踏み絵である。しかし米国は、ウィグル事件について、毅然とした態度をとれなかった。この時点で完全に米国は中国に屈したといえよう。

たとえ話をしてみると

そうなると、日本の立場はどうなるのか。例え話をしよう。ここグローバル高校で、一番人気の男子は、米田鷲夫君。米田君は、クレジットカードの力で贅沢三昧だが、女の子とあれば、食事をバンバンおごってくれるので女子には大人気。しかし、米田君、実は財布は空っぽ。でもポチ子、いえ大和撫子さんが援助していてくれていたので、何とか破産しないですんでいた。しかし、大和さんも決してお金持ちではない。最近お父さんの給料が下がっているのに、借金までして、米田君のクレジット料金の支払いをしてくれていた。ところが大和さんに強力なライバルが現れた、中田華子さんだ。中田さんは、最近お父さんの会社がえらく景気が良い。従業員を低賃金でこきつかっているので儲かっているらしく、最近はたまったお金で、ライバルから優秀な人間をヘッドハンティングしている。中田さんも、米田君に援助しているらしいが、扱い方がうまい。隣のクラスの乱暴者、露本プチ雄君からアタックされていることを何気に米田君に云って気を惹いているのだ。しかも、手をつないで登校してくれないと、もう援助してあげないなどと言っているらしい。この前、米田君は中田さんと手をつないで登校してきた。かわいそうなのは、校門わきの植え込みの陰から悔しげに二人を眺めていた大和さん。中田さんは、米田君に手を腰に回してもらい、得意満面だ。米田君は、大和さんのことをどう想っているか、聞いてみた。米田君いわく「大和さん?こう言っちゃなんだけど、便利な女。駒の一つだね。中田さん?結構わがままだけど、言うことは言うし、自分としては中田さんの方が好みかな。大和さんなんか、こっちが話しても、うんうんうなづくだけじゃない。中田さんは、油断はできないけど、大和さんと違って、会って話してても、本音とかをさらって言ってくるし、話してて楽しいんだよね。大人の女だよね、中田さんは。相手が引くと押したくなるのが、やはり男だよね。」