八王子スーパー殺人事件 時効が伸びる可能性も

八王子スーパー殺人事件 被害者3人の慰霊祭行われる

 95年7月、東京都八王子市のスーパーで女性3人が射殺された事件の追悼式が26日、スーパー跡地で行われた。被害者の友人ら約200人が白いカーネーションを献花台に手向け3人の冥福を祈った。

事件の概要

 稀にみる凶悪事件だった。被害者は、3人のアルバイト女性。47歳、17歳の女子高生、16歳の女子高生の3人だった。犯行はわずか数分の間に行われた。犯人は何も奪わずに逃走。金庫を開けようとした形跡もなく、謎の多い事件だ。女子高生2人は布製の粘着テープで手足を縛られ、至近距離から後頭部に1発ずつ発砲され、即死の状態だった。パートの女性は、鋭利な刃物で腹部を刺された後、銃弾2発を撃ち込まれていた。使用された銃はフィリピン製の模造銃。犯人は3人とも脳幹を確実に撃ち抜き、即死させている。

新証言

 事件は30日で時効成立まで1年となる。警察も延べ約13万7000人の捜査員を投入したが、容疑者の特定にもいたっていない。しかし、最近新証言が出てきた。新証言をしたのは07年8月に中国で覚醒剤密輸事件に絡み、死刑判決が確定した密売グループ元締めの66歳の日本人男性。死刑は執行されておらず、男は大連市内の拘置所に収容されているが、密輸事件で身柄を拘束される前に「知り合いがやった」と周囲に話していたとされる。この男性は日本で資産家宅を狙って強盗を繰り返す日本人と中国人の混成強盗団の主犯格とされ、強盗事件で指名手配されていた。捜査本部は、捜査員を派遣し男に事情聴取できるよう中国公安当局に要請している。

時効1年より伸びる可能性

 もし犯人が中国にいるとなると、あと1年で時効になることはない。よく刑事時効と呼ばれているが、ここで言う時効は公訴時効というもの。海外に犯人が逃亡すると、海外には日本の国家権力が及ばないため、犯人が海外にいる間は控訴できず、控訴時効も進まないのである。
 ようやく出てきた新証言だが、この新証人とされる男性、死刑の執行を延ばすために嘘を言っている可能性もある。