振り込め詐欺グループ捕まる

新聞報道から

息子を装い名古屋市の高齢者から現金をだまし取るなどしたとして、愛知県警捜査2課と組織犯罪対策課、昭和署などは、振り込め詐欺グループの主犯格や周辺関係者ら計8人を詐欺などの疑いで逮捕した。県警は同グループによる被害者は判明した2006年1月以降だけで、愛知、岐阜、三重県など1都2府30県の約260人に及び、被害総額は約5億6000万円に上るとみて調べる。
 県警によると2人とも容疑を認めている。グループは東京都新宿区などにアジトを構え、インターネットを通じ入手した名簿を使い全国各地に電話していた。約2400万円をだまし取られた熊本県の男性(71)もいた。
 また、アダルトサイト利用料の名目で口座に振り込ませる手口の犯行も、繰り返していたという。服部容疑者は、詐取金について「クラブなどでの飲食代に使った」などと供述。県警は、グループにはほかに5人程度のメンバーがいたとみて全容の解明を急ぐ。
中日新聞2009年7月25日 朝刊)

進化する振り込め詐欺

 ひところ、ずいぶん騒がれましたオレオレ詐欺。最近は振り込め詐欺と言われることが多くなった。テレビでも散々取り上げられ、減少傾向にはあるが、まだ残っている。恐いのは、実際の被害に遭った人のほとんどが、テレビとかでそういったものを見ていて、自分はひっかからないと思っていた人がほとんどだということだ。
 根絶されないのは、オレオレ詐欺もそれだけ進化しているからだ。たとえば、高齢の女性のところに電話が突然かかってきて、電話の向こうで若い女性が泣いている。女性が「どなたですか」と聞いても名乗らない。そのうち自分の娘はじゃないかなんて思って、娘の名前を呼び掛けてしまうのだ。
 中には、個人情報をどこかからか仕入れていて、息子の名前を名乗ったりしてきたりする。この場合は、オレオレとは言わず、向こうから子どもの名前を名乗ってくる。今回逮捕された面々も、名簿を手に入れていたと言うから、子どもの名前を名乗って電話していたのではないか。
 最近はヤミ金からの転向組も多いと聞く。ヤミ金は金を貸すときに、親の名前とか連絡先とかを聞く。いざ本人から回収できなかった時のためだ。ヤミ金上がりはそういった情報を持っているので、これの二次活用を考えるのだ。

騙しのテクニック

 よく「声とか聞いて、ばれないのか。」との疑問を言う人もいる。こうした高齢の親御さんは、子どもと長い間話をしていないという人も結構いる。中には、鼻をすすって風邪気味を装ったりもする犯人もいるので、結構気づかれないのだ。
 警視庁の発表では、被害者の大半が60歳以上の女性。母親の場合、子供に困ったことがあったら、夫に内緒で何とかしてあげようと思うため、そこをつけ込むのだ。こういった詐欺で、犯人が一番困るのは第三者に相談されるってこと。そのため、昼過ぎにかかってくる電話が一番怖い。こういった犯人は、必ず「今すぐお金を振り込んでくれ。」って言うんです。例えば、昼の12時くらいに「会社から預かった金を落としちゃって、このまま会社に帰ったらくびになる。」なんて電話がかかってくるわけだ。3時になったら銀行が閉まっちゃうと考えて、あせってしまって、考える余裕がなくなってしまうのだ。

騙されないために

 騙されないように、昔飼っていたペットの名前を聞くとか、そういった子供しか知らないことを聞くとか、そういった工夫も必要だろう。銀行に手続きをして、ATMで10万円以上振り込みできないようにするって方法なんか有効だ。