オールインワン 無登録100億円集金

北海道新聞の記事

 北海道新聞の記事の引用です(07/20 10:16)
 札幌の外国為替証拠金取引(FX)関連業者「オール・イン」(森克彦社長)が、金融庁に無登録でFX取引に関与し多額の資金を集めたとして、道警は20日、金融商品取引法違反(無登録営業)の疑いで、札幌市北区の同社本社や仙台市の関連施設など数カ所を一斉に家宅捜索した。
 道警などによると、同社は2007年ごろから、北海道財務局に登録せずに金融商品取引業を行い、インターネットを通じてFX取引ができる自動売買ソフトのレンタルを行い、全国の約2万2千人の会員から100億円を超える資金を集めた疑いが持たれている。会員側は出資分などをポイントの形で保有し、当初は手続きをすれば換金できていたという。しかし昨年秋ごろから換金できない状況になった。
 道警は、ソフトを会員制で有償提供する行為が、金融庁の営業登録が必要な「投資助言行為」にあたると判断した。
 同社をめぐっては、運用目的に預けた資金の返金遅れが問題化しており、道警は、資金運用が適切に行われていない疑いもあるとみて、詐欺容疑の適用も視野に取引の実態など全容解明を進める。

体験者のブログを見ると

 ネットでhappieさんという人のブログを見つけた。SEをやっている方で、さすがに冷静に分析している。以下に、happieさんがオール・インを怪しいと考えている部分一部抜粋しながら引用させていただく。

  • その資料を見てみると、FXの話やコンピュータ・プログラムの話よりも、大半がバイナリシステムと呼んでいる、MLMの説明で占められていた。昔知った健康食品もそうだったな。一目見て、これは新手のネズミ講かと思った。
  • 運用は全自動で、サーバ側にプログラムが乗っていて、大量の注文もさばけるように増強されているとのこと。あれ、ソフトで指標を見て自分で注文を出すのでは?と思ったが、Bプランでは全自動になっているとのこと。また、すごい運用成績を聞かされた。ここ最近の運用成績はよく、始まってから月利20%!だそうな。…ただし保証されたものではないので、儲かった段階で元金を引き出してしまえばいいとのこと。
  • 家内は、全部任せるBプランではなく、取引の状態が見れるAプランを選んだのは賢明なところだ。ところが、Aプランについて最初準備に時間がかかると言って、また後になってBプランを勧めてきた。そこで不信が募った。
  • ソフトの存在が怪しい。MAN社のAHLは開発にかなりのコストがかかっていると思うが、victoryrunには全くそう感じさせる点がない。他の優秀な人が開発してそれを買い取っているなら資本金はあんなレベルでは全く足りない。最も重要な製品情報の説明があまりにも貧弱すぎる。OSの記述すらない。
  • 最先端の金融テクノロジーと数理学的アプローチの考え方を元に、などと美辞麗句を使っているが、実態はまるでわからない。勧誘している人間もスタッフもFXについてまるでわかっていない。そういう集団が開発できるわけはない。
  • このソフトはVictoryrunFXと呼ばれているが、おそらく同じところからだろうがかつてVictoryrunという競馬予測ソフトを出していた。過去のデータから競馬の結果を予測して利益を上げるというもの。検討する価値もない、くだらないジョークだ。
  • gt-ipointのHPを見たが、これまた酷すぎる。キプロスに登記されて、英語でHPが作成されているが、そのサーバは日本にあり、またHTMLは日本語で作られ、英語はいかにも日本人が書いたような稚拙な内容だ。メリットをmeritとしているところがいかにも日本人ぽい。英語でmeritは日本語とは別の意味だ。通常advantageがそれにあたる。…登記はキプロスでしているが、営業は日本でやるというのなら、日本語で書けばいいのに。後でそれに気づいたのか、最近日本語も付けられるようになったが前はそれがなかった。

http://happiese.blog123.fc2.com/blog-entry-207.html

あまりにも典型的

 同社の集客(集金)手法は次のような特徴がある。

  1. FX投資で「独自に開発した自動売買ソフトを使えば月に20%以上の運用益が出る」などと説明
  2. 資金はキプロス電子マネー業者に入金
  3. FX投資の運用はパナマの会社が行う
  4. MLMマルチ商法)が新たな会員を勧誘する道具として利用されている(ポイントが増えるのでは)。

 これぞ、最近の投資詐欺に多くみられるパターンだ。
 まず投資は「ローリスク・ローリターン」か「ハイリスク・ハイリターン」かのどちらかで、オール・イン社がうたうような「ローリスク・ハイリターン」なんてあり得ない。サラ金のようなリスクマネーでさえ、年29.2%だ。
 電子マネーなんていうところが円天っぽくて笑えるが、その電子マネー業者がキプロスにあり、キプロスに送金させるというのが、怪しい。海外送金されてしまうと、お金の動きが非常に分かりにくくなる。日本の警察が、海外の口座を捜査するというのは相当な手間を要するはず。あえて捜査の手を及びにくくさせているのだろう。
 運用会社が日本国内にあると、不審に思った人間は調べに行くだろう。そうしたら、カンバンだけのペーパーカンパニーだとすぐばれてしまう。登記簿も、金融庁に登録しているかどうかも調べられる、結局ウソがばれてしまうから、こうした会社は外国にあることにした方が便利なのだ。まさかパナマまで調べに行きはしないだろうし、パナマに言って現地調査をするだけの力量がある人間はひっかからないだろう、という頭もあったかもしれない。
 よく運用会社が外国にある場合、「世界各地から投資を集めている」とかいう嘘をつくかもしれないが、そういったときはグーグルの米国版、ドイツ版、フランス版などを見て、その会社名を検索してみるといい。もしヒットしなければ、その会社は日本人相手にしか商売していないことが分かる。そうなれば、その会社が日本人が作ったダミー会社な可能性が濃厚だ。
 第一まともな商売をやっているところが、MLMで人を集めたりはしない。