買い物止めろ教のビリー牧師が大暴れ

東京MXテレビの7月12日日曜日夜午後11時から放送の「松嶋×町山 未公開映画を観るテレビ」で、面白いDVDが紹介されていた。「What Would Jesus Buy=イエス様が何を買うって言うの?)というDVD。ニューヨークのある教会のビリー牧師の布教活動をとったドキュメンタリー映画だ。
ビリー神父は「買い物やめろ教会」の神父。「買い物止めろ聖歌隊」を率いて、全米を縦断。突然ディズニーの店に、十字架に貼りつけにしたミッキーを持って店に入り、「ミッキーマウスは反キリストだ」などと、いきなり説教を始める。ウォルマートに入って、レジに悪魔払いの儀式を施す。そんなだから、当然警備員に捕まり、警察に引き渡される。ディズニーランドの敷地に入り、いきなり「買い物を止めろ聖歌隊」がディズニーを非難するゴスペルを歌い始める。「ここをどこだと思っているの?」と聞く警備員に「ここは私の教会だ!」と叫ぶ。
一見コメディーだが、ビリー牧師は大まじめだ。

クリスマスシーズンは彼らにとって一番重要な布教シーズンだ。買い物好きのアメリカ人は11月第4木曜日の感謝祭の翌日=第4金曜日は、競って買い物に出かける。そこからクリスマスまでが買い物シーズン。大人は自分へのご褒美、子供へのプレゼントを買って買いまくる。そんなときに活躍するのがクレジットカードだ。
感謝祭の夜、ビリーは教会で呼びかける。

  • ビリー牧師:去年アメリカで買い物に使った金はいくらだと思う
  • 信者たち :4550億ドルです。
  • ビリー牧師:そんな金どこから出たんだ おまえらそんな金あるのか アメリカ人のクレジットカード負債はいくらあるのだ。
  • 信者たち :4兆5000億ドルです
  • ビリー牧師:これは買える金がないのに 空買いじゃないか これでは地獄行きだ。
  • 信者たち :イエス

彼は、感謝祭からクリスマスまで、聖歌隊を連れて、バイオ燃料バスで全米縦断布教を行う。行く先々の町で、ショッピングモールやスタバなどで、買い物を止めろとゴスペルを歌いまくる。
クリスマスにビリーは教会で呼びかける

  • ビリー牧師:クリスマスとは何の日だ 貧しい人たちを救うためにキリストが生まれた日だろ。
  • 信者たち :イエス
  • ビリー牧師:じゃあ、なぜその日にIフォンや任天堂などを買うんだ、関係ないだろう。
  • 信徒たち :そのとおり
  • ビリー牧師:主イエスが生涯一度だけ暴力を振るったことがある それはいつだ
  • 信徒たち :欲に目がくらんだ商人たちを蹴散らした  ただ 一度だけです
  • ビリー牧師:ならば答えは明らかだ 主が一番憎まれているのはなんだ
  • 信徒たち :買い物です。

そもそも、クリスマスに買い物をする習慣は、メーシーズという米国老舗百貨店が、売れ残り商品を、年末大安売するのにクリスマスを利用したのが、その始めらしい。それがクリスマス前だけじゃ、売れる量も限られるからって、感謝祭の翌日に安売りをする習慣が始まり、結局感謝祭翌日からクリスマスまで延々安売りシーズンが伸びたらしいのだ。

ところで、来週は後篇!ビリー神父は神の敵ウォルマートの本社に布教に出かける。見逃せない!