ノドンとテポドン 日本に脅威となるのは実はテポドン

山崎拓さん北朝鮮に対抗して米軍の核持込容認発言

 言論NPOという団体が開いた、自民・民主対決の9日の討論会で、山崎拓さんは、核兵器を搭載したアメリカ軍艦船の日本への寄港について、「容認されてしかるべき」と述べた(民主党からは松本剛明議員が出席)。
 山崎さんは防衛大臣も務めたこともある防衛族だが、北朝鮮に対しては対話路線の立場からの発言が多かった。安倍さんがまだ元気だったころ、北朝鮮に対して対立路線を主張すると、必ず山崎さんがかみついていた。その山崎さんがここに来て、北朝鮮に対するけん制ともいうべき、核持ち込み容認発言はなぜだろうか。

ノドンとテポドン

 日本を射程に収めるノドン。数も多く、専用トラックの車両に乗せた状態で発射できるため、先制攻撃で破壊することもできない。これと比較してテポドンは、米国を射程距離に収めるが、発射台に乗せて発射するため、発射準備の段階で把握されやすく、場合によっては発射前に先制攻撃で破壊することも可能だ。

本当の脅威はテポドン

 こうしてみると、日本に脅威なのはテポドンではなく、ノドンということに一見なりそうだが、実は違う。日本にとっては、ノドンよりテポドンの方が怖い。この問題は「日本が北朝鮮等に核攻撃をされた場合、米国は日本のために、北朝鮮を核で攻撃してくれるか」という「核の傘」問題に絡んでいる。
 北朝鮮がノドンしかミサイルを持っていなければ、米国は「どうせ、うちのところに飛んでこないだろう」という安心感から、日本のために報復攻撃してくれるだろう。
 しかし北朝鮮が、テポドンで米本土も攻撃できるとなれば、日本が北朝鮮から核攻撃されたからといって、米国が日本のために核で報復攻撃を行ってくれるかどうか分からない。北朝鮮に核ミサイルを打っても、テポドンで米国本土が攻撃されるかもしれないと思えば、自分たちの安全を図るため、報復核攻撃を行わないことも考えられるのだ。