ネットカードの過払金減額和解をはね返す方法
ネットカードの和解案
ネットカードから和解案が提示された。利息抜きの過払い元金の2割程度の金額を払うという。担当者が、これがぎりぎりの線だというので、私が「ギリギリと言えるだけの証拠を見せろ」と言うと、担当者は「書面を送るからそれを読んでくれ」とのことだった。
送られてきたファックス
その日ネットカードの債権管理セクションからファックスが送られてきた。そこには、2割しか払えない理由を、次のとおり延々書き連ねてあった。
- 07年8月GMOインターネットの連結子会社だったが、連結を外され、同社からの援助が得られなくなった。
- GMOからの緊急融資56億円を返済するめどが立っていない。
- グレーゾーン金利撤廃等の実施を控え、銀行からの融資が十分得られない。
- 07年10月貸付業務を廃業
- 過払い金の返還請求額は減少の気配を見せず、高水準で推移
- 07年末には過払金返還自体が困難な状況に陥った。
- 08年2月には全国7営業店と渋谷本社を閉鎖、本社に統合し、社員数も3分の1に減った。
- 弊社の経営も危機的な状況に陥り、事業の継続に困難を伴う状態になってきている。
無銭飲食理論を利用
上記のファックスでは「07年末には過払金返還自体が困難な状況に陥った」とある。実は、こちらに有利な証拠となる。まさに、5月3日のブログにも書いた「無銭飲食理論」を使えるからである。
すなわち、ネットカードは「平成19年末には過払い金返還自体が困難な状況に陥」ったのだから、この時点で過払状態にある借主から返済金を受け取るべきではない。返済意思も能力もないのにお金を借りるのと同じであり、また、500円玉しか財布にないのに、すし屋に入って3000円の特上寿司を注文するようなものである、と主張できるのではないか。そうなれば、ネットカードのかかる返済受領行為は、不法行為を構成する。
ネットカードは「過払い状態になっているとは知らなかった」と言うだろうが、調べればすぐに分かる話であり、全額返せなくなった時点で全債権を調査すべきであった。にもかかわらず漫然と返済を受け続けてきたのであるから、少なくとも重大な過失がある。となれば、当然役員も並んで不法行為の責を負うべきである。
はね返せるか
まだ訴訟を起こしていないので、実際この方法で減額和解をはね返すことができるかどうかはまだ不明だ。